I-Method

アウトローとベンチャー

第3部 ベンチャーによるアウトローの超克
 第8章 産廃業界の再編
  3 アウトローのベンチャー化

3−1 法的ギャップに対するベンチャー


 法的ギャップ対するベンチャーには、新法に便乗するビジネス、規制の隙間をつくビジネス、強い規制を逆用するビジネス、法の空白をつくビジネス、悪法の抜け道(脱法行為)を駆使するビジネスなどがある。
 環境ビジネスを例に取れば、新法ビジネスは、5つの個別リサイクル法や土壌汚染対策法といった新法によって新たに生まれる市場を狙うビジネスが代表である。
 隙間ビジネスには、国内リサイクル法やバーゼル条約の隙間をついた資源ごみ輸出ビジネスや中古家電輸出ビジネスがある。ただし、中古家電輸出は、家電リサイクル法施行以前から行われていたから、新法施行後に隙間に追いやられたと言えるが、実際にはその後も実績を伸ばしている。
 規制ビジネスには、許認可コンサルタント、環境アセスメントコンサルタント、環境検査機関がある。また、自治体ごとに異なる許認可基準、条例、指導要綱などに対応する規制ビジネスもある。中には自治体ごとに異なる仕様の焼却炉を販売する小型焼却炉メーカーもある。
 空白ビジネスには、法律が存在しない建設残土処分場がある。ただし、建設残土は自治体独自の条例を定めて規制することが増えている。
 悪法ビジネスには、後に述べる廃棄物処理法の抜け道を駆使した自社処分場ブローカーがある。逆に、民間企業が独自に不法投棄から防衛するためのセキュリティビジネスやトレーサビリティビジネスもある。

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